神成 美忍 (かんなり みお)

 『パパおはなしして』舞台より

2007年に東京演劇アンサンブル研究生として入団。2008年より劇団員。
 北海道・札幌出身で、3年ほど札幌を拠点としている児童劇団で活動をしていたが、さらなる挑戦の場を求めて上京し、東京演劇アンサンブルの『明日を紡ぐ娘たち』を観劇し、自分の求めていた演劇と出会った。
 研究生としての1年で、日常の稽古だけでなく、本公演、旅公演と経験を積み、昨年のこどもの劇場公演シビリヤーク・作『パパおはなしして』で主演のリリ役に大抜擢。透明感のある歌声と、芯の強さのある少女を演じ、強い印象を残した。今でもブレヒトの芝居小屋に来る子どもたちに、「きいろいリリ」と呼ばれ、親しまれている。
 研究生公演では、アーノルド・ウェスカー作・志賀澤子演出による『ぼくはエルサレムのことを話しているのだ』では、夫と共に田舎暮らしをはじめ、理想と現実に狭間で、強く地に足をつけて生きようとする妻アダを好演した。研究公演から引き続いて自由にあこがれ籠を飛び出してカナリアのリリを演じることになり、彼女自身の飛躍とともに、明日へ羽ばたくカナリア役が期待されている。劇中歌われる難しいソングも、美しい歌声で、観客を魅了している。
 『アンティゴネ』のイスメネ役は、男社会に縛られ、一歩を踏み出せないまま、傍観者となってしまうという役どころ。大先輩たちに囲まれての稽古場でもまれながら、どう立体的に彼女のイスメネが立ち上がってくるか、大いに期待が高まる。注目したい、TEEの新しい女優といえるだろう。

  

【主な舞台作品】

日本の気象

久保栄

女子技工士

パパおはなしして シビリアーク アリョーヌシカ/カナリア
アンティゴネ ブレヒト イスメネ
ラリー ぼくが言わずにいたこと ジャネット・タージン ベス
荷(チム) 鄭福根


【研究生公演作品】

ぼくはエルサレムのことを話しているんだ

A.ウェスカー

アダ・シモンズ