伊藤 克(いとう かつみ)

 『野の涯』舞台より

 俳優座養成所7期を経て、1958年東京演劇アンサンブル入団。

 アンサンブルの看板俳優として活躍。代表作は数多く、アンサンブルの重鎮のひとりである。
  『かもめ』のソーリンは、車椅子に座ったまま人生を振り返る老人だが、人間の苦悩の深さを感じさせる。『ガリレイの生涯』のガリレオ・ガリレイ役は、情熱的でエネルギッシュな印象が色濃く残る芝居であった。『コーカサスの白墨の輪』アツダクでは、アナーキーな風の吹き荒れるなか、アナーキーな裁判官として、大変好評だった。
 『幻燈辻馬車』では若い志士と可憐な少女を策にはめる汚れ役。また『沖縄』での山野武吉は旧日本陸軍の残党で、いまはウチナンチューに紛れて生きる男。『肝っ玉おっ母とその子供たち』の料理人役では、羽鳥桂演じるおっ母に言い寄る。いずれも、癖のあるアクの強い役だが、伊藤克の色気と才気が舞台に溢れた。
  一方で、『わが魂は輝く水なり』『オットーと呼ばれる日本人』『野の涯』などの硬派な芝居も多く演じている。男のロマンと頑固な自分の生き方が、舞台を引き締める。
 『蜃気楼の見える町』では、蜃気楼に自分の過去の想いを寄せシベリア抑留時代のユートピアを語る、作品の芯となる役。若い人たちの中にあって、舞台を引っ張る大黒柱である。

 常に舞台に存在し、空間を引き締める役割を担う欠かせない俳優である。

主な舞台作品……ほかにもマスコミ、外部など多数出演。

かもめ

チェーホフ

ソーリン

ガリレイの生涯

ブレヒト

ガリレオ・ガリレイ

コーカサスの白墨の輪

ブレヒト

アツダク

セチュアンの善人

ブレヒト

8人家族

肝っ玉おっ母とその子供たち

ブレヒト

料理人

コミューンの日々

ブレヒト

ティエール

オットーと呼ばれる日本人

木下順二

沖縄

木下順二

山野武吉

野の涯

広渡常敏

ひとり芝居

蜃気楼の見える町

広渡常敏

高野修吉

真実の学校

広渡常敏

東根

沢氏の二人娘

岸田国士

是名優也哉

岸田国士

わが魂は輝く水なり

清水邦夫

斎籐実盛

ジョー・ヒル

スティヴス

看守

幻燈辻馬車

山田風太郎

峰吉

村岡伊平次伝(合同公演)

秋元松代

ぐず吉

食卓のない家

円地文子

川辺弁護士

常陸坊海尊

秋元松代

親方

ヒロシマの夜打つ太鼓

広渡常敏

五郎七

日本の気象

久保栄

矢吹予報部長

ワーニャ伯父さん

チェーホフ

セレブリャコーフ

林檎園日記

久保栄

源三郎

海の五十二万石 広渡常敏 奥藤兵衛
母―おふくろ ブレヒト スミルギン 
アンティゴネ  ブレヒト  ティレシアス 
避暑に訪れた人々  ゴーリキー  ドッペルプンクト 
荷―チム  鄭福根  斉藤亮二 
忘却のキス  ボートー・シュトラウス  マウトナー
第三帝国の恐怖と貧困  ブレヒト  高裁判事 
最後の審判の日  エデン・フォン・ホルヴァート  お巡りさん