名瀬 遙子 (なぜ ようこ)

 『恋愛恐怖病』舞台より

 東京演劇アンサンブル俳優教室20期を経て、1987年入団。
 信じたら突き進む、情熱のひとである。
 ブレヒトの大作2本で主演、ヒロインを演じた。「コミューンの日々」ではジュヌヴィエーヴを、「コーカサスの白墨の輪」(初演)ではグルシェを。広渡の演技論に食らいつき、決して自分を赦さずに役に向かっていく。グルシェの情熱が、ジュヌヴィエーヴの理想が輝いた舞台だった。
 「ハムレットマシーン」でオーストリアの演出家サイラーと出会い、一時芝居の修行で休団。
 復帰後は、岸田国士の「恋愛恐怖病」で女を演じた。女の魅力とプライドが、男の心をつかまえてふりまわしていく大人の女の色気が漂った。『常陸坊海尊』では真野季節とともに娼館の少将を演じた。底辺からさらに追われて落ち延びてゆく様が、人々の置かれた状況を象徴していた。艶やかさと切なさが溢れた。『セチュアンの善人』の八人家族の役でも同様に、底辺に生きる娼婦の厳しさと温かさがにじんでいた。

田代信子は、田代の妻で、敗戦後、組合運動にこだわる田代を丸ごとうけとめ、女性科学者として民主主義の時代に情熱を燃やす。柄谷行人を愛読書に、演劇論を展開する理論派。久保栄の女性への憧れが、名瀬をとおして軽やかに見え隠れするだろう。

 主な舞台作品

コミューンの日々

ブレヒト

ジュヌヴィエーブ

コーカサスの白墨の輪

ブレヒト

グルシェ

セチュアンの善人

ブレヒト

8人家族

村で一番の栗の木

岸田国士

恋愛恐怖病

岸田国士

銀河鉄道の夜

宮沢賢治

青年

桜の森の満開の下

坂口安吾

女房

思い出のブライトン・ビーチ

ニール・サイモン

 ブランチ

ジョー・ヒル

スティヴス

 

セーヌ川の身元不明の女

ホルヴァート

身元不明の女

ハムレットマシーン

ハイナー・ミュラー

コロス

幻燈辻馬車

山田風太郎

眉輪

おんにょろ盛衰記

木下順二

村人

常陸坊海尊

秋元松代

少将

食卓のない家

円地文子

鬼童子由美子

グスコーブドリの伝記

宮沢賢治

赤ひげの女房

日本の気象

久保栄

田代信子