清水 優華 (しみず ゆか)

 『シャイロック』舞台より

福岡県出身。日大芸術学部演劇学科より東京演劇アンサンブル俳優教室36期を経て、2003年入団。

 入団後すぐに広渡常敏作・演出による『ヒロシマの夜打つ太鼓』で抜擢され、太鼓を叩く仲間に触発されて、何も知らなかった若者がどんどん自分の世界を広げていく。先日惜しくも亡くなった栗原貞子さんの詩「ヒロシマというとき」の朗読が印象的だった。『銀河鉄道の夜』では初の主役ジョバンニに起用された。ジョバンニの好奇心、無邪気さが溢れて好評だった。この舞台で、韓国公演も経験し、大きく飛躍したことは記憶に新しい。
 
久保栄作・広渡常敏演出『林檎園日記』の道子役に大抜擢され、各場冒頭にある日記の朗読は、クレーン車を使った舞台装置と共に、印象深く観客の心に残った。動かしがたい抑圧された現実に負けることなく、明るく前向きに生きる女性を爽やかに演じる姿は、自立しようとする人間の強さを感じさせた。

 衣裳持ち、子供大好き、身体がきついことは嫌い。大きな声でハッキリものをいう人だ。声が小さくなりがちな会議の場でも元気に喋る。まわりの様子を窺って話すのを控えたりする人には見えない。とても率直に自分を出すことができる人だと思う。時には「ちょっと周りのことがみえてないんじゃないかな?」と思うようなトンチンカンな発言もあるけれど、それが彼女の愛嬌でもあるかな。そんな彼女の口から「みんな不安なの、それでみんな、なにかを探しているの、それでいろいろにちがっているかもしれないけれど、自由に自分のことばを喋るのよ」「説得力のあることばなんかダメなの、中途半端だろうと面白半分だろうと、みんなで喋ってみることよ」、という麦子の台詞が吐かれるとき、なかなかそんなふうに自由になれない僕は、素直に彼女のことを、いいなあ、清々しいなあ、と思う。 (『夜の空を翔ける』公演パンフレットより by Noriaki Takeguchi)



【おもな舞台作品】

ヒロシマの夜打つ太鼓 広渡常敏 加奈子
目をさませトラゴロウ 小沢正 うさぎ
日本の気象 久保栄 女子技工士
林檎園日記 久保栄 阿部道子
銀河鉄道の夜 宮沢賢治 ジョヴァンニ
おじいちゃんの口笛 ウルフ・スタルク ベッラ
夜の空を翔ける 広渡常敏 佐藤麦子
ラリー ぼくが言わずにいたこと ジャネット・タージン ベス
避暑に訪れた人びと ゴーリキー カレーリヤ
シャイロック ウェスカー ポーシャ