東京演劇アンサンブル公演
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ソポクレス原作・ヘルダーリン訳による舞台用改作
作=ベルトルト・ブレヒト 訳=谷川道子 演出=志賀澤子 音楽=林光
2009年2月5日〜14日
ブレヒトの芝居小屋/俳優座劇場
| 2009年 2月 |
5日 木 |
6日 金 |
7日 土 |
8日 日 |
12日 木 |
13日 金 |
14日 土 |
| 14:00 | ● | ● | ● | ● | |||
| 19:00 | ● | ● | ● | ● | ● | ||
| 会場 | ブレヒトの芝居小屋 | 俳優座劇場 | |||||
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■上演にあたって
二〇〇九年の東京演劇アンサンブル(TEE) 創立五十五周年を迎えるTEEの二〇〇九年のスタートは、ブレヒト作『アンティゴネ』で始まります。ブレヒトの戯曲には『三文オペラ』をはじめあるベースの作品を改作したものが少なくありません。しかしギリシャ古典劇をモチーフにしたものは『アンティゴネ』が唯一の作品です。第二次世界大戦後の一九四七〜四八年に書かれたこの作品は、亡命先からヨーロッパに戻ったブレヒトが、この作品にある現代性に着目して改作したと考えられます。ソフォクレスの原作では、テーバイ国王の王位継承問題による兄弟の内戦を描いていますが、ブレヒトの改作では、テーバイ国王クレオンが、アルゴス国の鉱石ほしさにしかけた戦争を舞台として書き換えています。この侵略戦争とそれを進めようとする暴君という構図が、まさにブレヒトが描こうとした現代性ではないでしょうか。
TEEとブレヒト 一九五四年の創立以後、ブレヒトと出会った劇団三期会(TEEの前身)は、一貫してブレヒトの演劇論に影響されて作品を作り続けています。劇団名もブレヒトの劇団ベルリーナー・アンサンブルにちなんだ東京演劇アンサンブルと改名し、一九七〇年から現在に至るまで活動の拠点としている東京・練馬にあるブラックボックスの空間をブレヒトの芝居小屋と名づけて、劇場として公演活動を行っています。二〇〇六年にブレヒト没後五十年のベルリナー・アンサンブルにおけるブレヒトフェスティバルに、アジアから唯一招待されて公演した『ガリレイの生涯』は、創立以来の私たちのあこがれが一つの形として結実した瞬間でした。その上演の成功を、劇団の創造的主柱であり牽引者であった広渡常敏に報告できたのも喜ばしいことでした。
現在ブレヒト作『セチュアンの善人』を中・高校生向けの演劇鑑賞教室作品として、全国を公演しており、この3月にはベトナムで公演する予定でいます。
新たなブレヒトへの挑戦 今回の上演は、TEEとしては初めての挑戦。ブレヒト・ルネッサンスとも言える様な、新しいブレヒトを作り出したいと言う思いで、作品に流れる強い現代性のエネルギーを、舞台にのせていきたいと考えています。いまだ、終わらぬ世界中の差別や暴力、恨みや憎しみの連鎖、不可能とも思える和解≠ナきないすべての人たちへ、ブレヒトの眼は、厳しくも、やさしいものだと、稽古を重ねる中で感じています。
クレオン王による敵前逃亡者への埋葬禁止令に反抗し、アンティゴネは兄の遺体を埋葬しようとする。法を犯してでも為すべき行為がある。アンティゴネの抵抗は、愛に基づいた「正義」の行為である。しかしながら、テーバイの人々は、彼女の「正義」の抵抗を黙殺し、クレオン王の圧制を妨げることはない。沈黙こそ、クレオン王を後押しすると知っていながら、である。いつの時代にも正しいことは黙殺され、歪んだ現実が法によって守られ、沈黙によって国家が動かされていく。紀元前5世紀に書かれた原作が、二五〇〇年の時を越えて、今も色褪せることなく普遍的な問題を提起しています。
一流のスタッフを迎えて 今回の上演を支えるスタッフは、一九七七年に福岡現代劇場での上演時に翻訳したものに自ら改稿した谷川道子氏を稽古場に迎え、叱咤激励されながら共同作業を続けています。音楽にはブレヒトソングの第一人者である林光氏が、コロスの合唱を含めソングを書き下ろします。舞踊にはTEEでは初めてお迎えする、クラシックの技法を基に独創的な作品を踊り続けている松延まき子氏。力強いスタッフに支えられ、故・広渡常敏の演出の影響を強く受けて、引き継いだ志賀澤子が、新たなTEEのブレヒトを創り出します。
■ものがたり
テーバイの王だったオイディプスの娘アンティゴネが、弟・ポリュネイケスを埋葬するために、砂を集めている。アルゴス攻めの戦争中に、兄・エテオクレスの死を目撃した弟・ポリュネイケスは、前線から逃げだしてしまい、死刑となった。戦死した兄のエテオクレスは英雄として葬られ、敵前逃亡した弟のポリュネイケスは埋葬することを禁じられる。野ざらしにされたポリュネイケスの遺体が放置されるのに耐え切れず、アンティゴネは法を犯し埋葬しようとしていた。
クレオンは、テーバイの人々に向かい布告について念を押すが、そこへ見張りの者が報告にやって来る。何者かが、城外に晒されているポリュネイケスの遺体を埋葬したという。王の布告にたてつく者があると聞き、クレオンはその犯人を探し出して連行せよと命じる。
連れてこられた者は、彼の姪でありポリュネイケスの妹であるアンティゴネだった。クレオンは、布告を知っていながらなぜそれを破ったのかと問いただす。アンティゴネは、肉親を大事に思うことは当然で、冥界の掟は誰にでも平等だと反論する。激怒したクレオンは、死罪を言いわたす。彼女は、クレオンの息子のひとりハイモンと許婚の間柄だったのだが・・・。
アンティゴネの不幸を聞き、クレオンの息子ハイモンがやって来る。彼のみならず、国の者たちもアンティゴネに言い渡された処分を悲しんでいるという。死罪は不当であるとして、撤回するよう説得する。しかしクレオンは息子が自分に反抗していると感じ、彼の目の前で死罪にすると言う。妹イスメネは埋葬に手を貸さなかったので許されることになる。引き立てられ、生きながら岩穴に幽閉されるアンティゴネ。
テーバイの預言者・ティレシアスは、人間は己に見える範囲内でしかものを見ようとしないもの。それに対して、見えているものも見えないと思え、当たり前のことを当たり前でないと考えよ、と呼びかける。
アンティゴネは、岩穴で自ら首を吊って自殺。嘆き悲しんだハイモンは、父王に斬り付けようとするが失敗して自害。
残されたクレオンは破滅の道を選ぶ。そしてテーバイの共同体の人々もまた、王とともに滅びることを選ぶ。
■料金 当日5000円 前売(一般)4500円 前売(学生)3500円
■全席自由/チケット発売順に入場整理番号発行
■前売 チケットぴあ0570-02-9999 劇団事務所03-3920-5232
■協賛 ケンタウルスの会
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