俳優座養成所第11期を経て、1962年劇団三期会(東京演劇アンサンブル前身)に入団。
2006年より、広渡常敏の後を継いで入江洋佑と二人で劇団代表となった。海外交流事業のプロデューサーとしても活躍。2009年3月には、自ら出演し、演出補として舞台をまとめる『セチュアンの善人』でベトナム公演を行う。
代表作は数多く、『かもめ』のアルカージナでは本場モスクワ芸術座での公演を実現。『沖縄』では波平秀役でイタリアとベトナム公演を経験。木下順二による日本現代劇を海外に紹介し高く評価された。『ガリレイの生涯』では、サルティのおかみさん役を演じながら、公家義徳のガリレイを演出補としてサポートし、ベルリンのブレヒトの本拠地での公演を成功させた。久保栄作品『林檎園日記』では寿々役。守りの地点からしか物事を見ていけない存在として若者たちの前に立ちはだかる古老を演じ、好評だった。
キャリル・チャーチル・作『沼地』、マリーナ・カー・作『マイという女』、男社会における女性の存在を問いかけるフェミニズムの視点から社会の矛盾を問う作品を演出している志賀にとって、『アンティゴネ』も継承している。ブレヒトの場合、象徴的に男女にその役割を分けているとはいえ、アンティゴネが提起する問題は、結局は男性権力社会を覆す。ブレヒトはたくさんの女性協力者とともに仕事をしてきた。今回は女性の視点からブレヒト作品を切る。これは上演における大きな特色である。
2001年『食卓のない家』文化庁創作劇賞佳作受賞
1995年文化庁在外研修、イタリアミラノ・パオログラッシ演劇学校他
東京演劇アンサンブル代表
日本新劇俳優協会理事
西東京市民劇団「銀河ラボ」2011年〜毎年演出。
主な出演作品
『日本人民共和国』(1963)宮本研:作 熊井宏之:演出
海老沢文
『グスコーブドリの伝記』(1967~71)宮澤賢治:作 広渡常敏:脚本・演出
オリザ
『奇蹟の人』(1971~72)W・ギブソン:作 広渡常敏:演出
アニー・サリバン
『オットーと呼ばれる日本人』(1974)木下順二:作 広渡常敏:演出
妻
『ガリレイの生涯』(1986~2006)B・ブレヒト:作 広渡常敏:演出
サルティ夫人
『四つの肖像ー母たち』(1988)A・ウェスカー:作 広渡常敏:演出
母4人
『澤氏の二人娘』(1988~1989)岸田國士:作 広渡常敏:演出
悦子
『鳥の女』(1993)広渡常敏:作・演出
『沖縄』(1995~1996)木下順二:作 広渡常敏:演出
秀
『ノラが夫を捨てたあと』(1997)E・イェリネック:作 T・ブルンケン:演出
ノラ
『食卓のない家』(2001)円地文子:作 志賀澤子:脚本 広渡常敏:演出
『常陸坊海尊』(2002)秋元松代:作 広渡常敏:演出
おばば
『林檎園日記』(2005)久保栄:作 広渡常敏:演出
寿々
『母』(2007)B・ブレヒト:作 入江洋佑:演出
ペラーゲア・ウラーソワ
『泥棒たち』(2017)D・ローアー:作 公家義徳:演出
演出作品
『沼地-FEN-』(1996)C・チャーチル:作
『マイという女』(2005)M・カー作
『アンティゴネ』(2009)B・ブレヒト:作
『僕はエルサレムのことを話しているのだ』(2012)A・ウェスカー作
海外公演プロデュース
1900年より『桜の森の満開の下』アメリカ・韓国・ロシア・イギリス・アイルランド・モルドバ・ルーマニア。『かもめ』ロシア。『沖縄』ベトナム・イタリア。『走れメロス』韓国。『銀河鉄道の夜』韓国。『ガリレイの生涯』ドイツ。『セチュアンの善人』韓国、ベトナム
自主企画
『ローズ』(2012~)M・シャーマン:作 高瀬久雄:演出
ローズ